2009年5月30日

【勉強会報告】:「演劇ライターについて」

◇開催日時:2009年4月21日(火)18:00~20:00

◇講演者
 川口有紀さん
 フリーランス編集・ライター

◇講演内容
 「“演劇ライター”という職業」
  ・現在の演劇業界について
  ・“ライター”という仕事の流れ、“編集”との違い
  ・演劇ライターの仕事の種類(評論・初日レビュー・宣伝記事の違い)
  ・インタビュー記事、レビュー記事の書き方、テクニックについて


●自己紹介
  元々中学生のころから演劇を見るのが好きだった。
  BSで夜中放送される演劇番組をチェックしたり、
  近所の駅前にあった「レアものばかり揃えている」レンタルビデオ屋さんから
  演劇ビデオを借りているうちに、その魅力にはまり、今に至る。

  大学2年生時に「演劇ぶっく」でアルバイト開始、そのまま就職。
  「演劇ぶっく」では、編集と取材(ライター)を兼任するシステムだったため、
  両方のスキルを獲得する機会に恵まれた。

●「演劇」ってマニアック?
  ぴあ発行の「エンターテイメント白書」によると、
  動員数は映画がダントツ1位だが、市場規模では音楽業界(コンサート)を抜いている。
  映画、スポーツとも大差ない。 よって数字的にはそんなにマイナーな業界とは必ずしも言えない。

  市場規模での伸びは、1枚あたりのチケット代が高いことに起因するのではないだろうか。
  例:映画当日券大人1800円、演劇のチケットは6000円~10000円の物が多い

●演劇業界の種類
  1)ミュージカル
   最近は漫画のミュージカル化がはやってきている。
    >  例:「テニスの王子様」2003年から始まり、3000万人をこえる動員数。
  2)プロデュース公演
   ある団体が「XXさん主演で」等を企画し、公演するもの。
  3)伝統芸能
   能・歌舞伎など。
  4)小劇場 ・中小劇場
   小劇場には2種類意味がある。
   イ)200~300人収容の会場で行うもの、
   ロ)ジャンルとしての小劇場もの、イ)のものから動員を伸ばし、
     作品性などの変化をあまりせず動員規模を大きくしたもの
  5)ダンス
   コンテンポラリーダンス、バレエ、舞踊など
  最近は1)~5)のボーダーがあいまいになってきているのも特徴の1つ。

●仕事の流れ
  1)ライター
   媒体から発注を受け→実際に俳優・公演を取材→規定文字数にまとめテキストデータを納品  
  2)編集
   企画立案→ライター・フォトグラファーを手配→ライターからあがってきた原稿を編集

●演劇ライターの仕事の種類
  1)前パブリッシング
   これから公演される舞台の宣伝目的。インタビュー、初日レポートが多い。
   現在発行されている媒体の90%以上がこれにあたる。広告が入る。
  2)後パブリッシング
   インタビュー、公演レポート、評論・批評が多い。
   プロデュース公演*が増えたため、広告を載せる意味合いが薄く、
   成立しにくい媒体とされる。
   * 継続性がない=同じ団体・主催者での再演は取材時では決まっておらず、
     掲載しても興行側はメリットが感じられにくい。
  3)その他
   パンフレット用記事、演劇界以外の媒体掲載の演劇特集の監修など。

●原稿制作にあたり
  前パブリッシングの場合
  1)インタビュー
   聞くべき事、その着地点をしっかり決めること。これに尽きる。
    例:ある俳優さんのプロデュース作品
     イ)聞くべき事
      ・なぜその企画が立ちあがったか
      ・どういう風に舞台化されるか
      ・どういった点に腐心されたか
     ロ)着地点
      ・作品に対する意気込み
      ・個人ユニットとしての活動の今後
   インタビュー自体の話を流れを組み替え、イ)ロ)を構成していく。
   一言一句そのまま文字にする。
   インタビュー対象者の発言の真意を汲み取ることができれば、
   多少語尾等変わってもよい。
  2)公演レポート
   媒体によって書き方が違う。
   たとえば某情報誌の場合、ニュース性が高いため 「いつ、どこで、なに」という基本情報、
   そしてその詳細が続く。
   WEB媒体の公演レビューは翌日締め切りのことも多いので、
   見ながら原稿の着地点を決める。
   演劇は下調べがしにくい題材なので(DVDなどのアーカイブが豊富にない)、
   青田買いを含めライブで見に行く事がライターとしては重要。

●演劇ライターの仕事の特殊性
  3年くらいで疲弊してくる… 何を見ても同じに見えてくる人も。
  生のものを数多く見る事はパワーが必要。
  映画はあらかじめ撮影・編集、一線を引けるが、舞台は2~3時間拘束され、
  生のものを本当に目の前で激しく見せつけられながら、
  面白いかどうかを考えながら鑑賞しているため、体力的にも精神的にもエネルギーが必要。
  (川口さんご自身も)定期的にその波がやってくるが、
  ちょうどその周期で先きが気になる若手劇団と出会い、
  「彼らの先きを見届けたい!」という思いで乗り切っている。

●最後に
  「友人に連れて行かれた」「知り合いが上演」… 
  こういった舞台が初体験でつまらなかったとしても、あきらめないでください!
   (つまらないものも実はその理由があり、それを考えるのも一興)
  1枚あたり数千円は確かに痛い出費ですが、異なる舞台を3~4種類以上、
  見ていただければきっと面白いものに出会えるはずです。
  その情報収集に演劇雑誌や、オンラインのSNSなどを活用してください。

●質疑応答
  Q1)チケットが入手しにくいのですが、何かいい方法がありますか?
    定価以下のチケット交換掲示板にある、「仕事でいけなくなりました…(涙)」等の
    あまりチケットを当日に安く手に入れるのも一案。
    最近はそういったサイト運営会社も詐欺防止のシステムを強化しつつある。
  Q2)書くにあたり、いつも心がける点は?
    読者はライターの言葉・見解を聞きたいのではなく、俳優の言葉・考えが知りたい。
    インタビュー時にはルーティーンの質問もふりながら、
    俳優自身の「生の声」を引き出すために、自分の見解をぶつけることもある。
  Q3)(川口さんが個人的に)気になる劇団は?
    「五反田団」
     淡々とした舞台だが、四畳半の世界とイマジネーションの世界が交差する独特の演出。
    「イキウメ」
     SF的、哲学的世界を舞台にしたエンターテインメント作品。
     ストーリーテリングが抜群に旨い。
  Q4)劇団公演とプロデュース公演の違い
    劇団公演:劇団を維持するため、定期公演し、収入は劇団員に還元。
    プロデュース公演:企画団体(演劇制作会社。劇場が兼ねている事もある。
     例:パルコ劇場、シアターコクーンなど) が出資、公演、ギャランティを出演者に支払うが、
       劇団のようにその団体で恒久的な活動を続けるわけではない。

2009年5月17日

平成21年度第13回メープル杯ソフトボール大会開催のお知らせ

今年も恒例のソフトボール大会を開催致します。
気持ちの良い汗をかきましょう!そして、そのまま懇親会に突入しましょう。
皆様の奮ってのご参加を大いに期待します。
(!!初めて参加の方も大歓迎!!)


【ソフトボール大会】
◇開催期日
平成21年6月6日(土)12:00~18:00 (現地集合11:00)
(開会式 11:40~)
※少雨決行

◇試合会場
潮見野球場
江東区潮見1-1-1 電話03-3645-1210

◇アクセス
JR京葉線潮見駅徒歩10分 駐車場あり

◇参加費
3,000円(学生部は1,500円)弁当+飲み物付です

◇懇親会について
大会終了後、18:30頃より打ち上げを実施予定です。
場所は、江東区近辺で調整中。
※懇親会費用は別途集めます(一般4000円、学生部2000円)
  打ち上げのみ参加も是非お待ちしております。
  打ち上げ会場・会費は、決まり次第連絡致します。


◇雨天時の連絡
各チームの代表者に中止の連絡をします。(AM9:30~10:00頃)
※雨天中止の場合、懇親会のみ開催予定(16時開始予定)。


<参加申し込みについて>
メールの本文に次の項目をお書き添えの上、
「 seinenbukanji@freeml.com 」まで送信してください。
その際、メールの標題には"メープル杯ソフトボール大会出欠の件"とご記入ください。

<------------------- メール本文 ------------------->

ソフトボール大会     (参加・不参加)
懇親会          (参加・不参加)
氏名 :
連絡先:
同伴者氏名 :
e-mailアドレス :

<------------------- メール本文 ------------------->


以上、よろしくお願い致します。

2009年5月14日

過去の青年部だより

   
  
今回、新たにブログ形式で情報発信、共有を図って行くことにしました。
乞うご期待ください。

東京広島県人会青年部の2000-2002年の青年部便りは、こちらです。