2009年2月19日

【勉強会報告】:「flashアニメとキャラクターデザイン」白佐木和馬さん

◇日時: 2009年2月26日(木)

◇講演者
白佐木和馬(シラサキ カズマ)さん 
アニメーター、キャララクター・デザイナー
www.mikan-seijin.com
<略歴紹介> 
1966年広島県生まれ。筑波大学芸術学群洋画科卒業。
1990年よりテレビ番組、ゲームソフト、 web、書籍などアーティストとして幅広く活動。「シュール&ピース」なキャラクターとポップな世界観が特徴。
・活動内容 キャラクターデザイン、CGアニメーション、イラストレーション、企画、アートディレクション等
・代表作 ミカンせいじん/図鑑NEO宇宙(小学館)/いないいないばあっ!(NHK)
・近況 NHK教育「シャキーン!」にてアニメーションを担当
     3月25日「ウゴウゴルーガ」のDVD第2弾発売予定


◇講演内容
「キャラクターデザインのできるまで」
1)受注
2)キャラクターの特徴を定義 
3)キーワードを設定
4)ラフスケッチ作成
1)~3)に基づき、どんどん作成。見せていただいた実際の案件例では50点近くのラフスケッチが画面に登場し、参加者皆、感嘆のため息をつく。
イチオシ以外にも数多く出すのは、クライアントの反応をみる判断材料としての役目があるためだそう。
5)デザイン画作成
6)完成
7)名称
8)デザイン仕様書と覚書締結


「flashアニメーションの制作過程」
(ミカンせいじん30秒学習・フジテレビ)
与えられたテーマを読み解き、いかにキャラクターに反映させるか、そして30秒に納めるか、をご説明いただきました。

ただ単に台本をなぞるだけの解釈ではない、制作の様子がわかり、 皆、聞き入っていました。
勉強会では以下の2テーマをご紹介いただきました。
「鎌倉幕府」「脳の仕組み」


「白佐木さんにとってのキャラクターとは」
丁稚奉公に出すようなもの。奉公先でかわいがってもらい、時々よい便りをきかせてくれれば。


◇「質疑応答」
Q1:それだけたくさんラフ画を出して、自分のお気に入りが選ばれなかったら?
A1: 提出する以上、なるべく強い思い入れを持たないようにしています。

Q2:FlashやIllustratorなど、グラフィックのアプリケーションが以前に比べて購入しやすくなりました。これにより、キャラクター飽和状態になった割には品質の高いキャラが少ないような気がします。どうお考えですか。
A2:使うツール(アプリケーション)は同じでも、どう使いたいのか。多様な機能を自分らしく使うことが、プロになるきっかけの1つにもなるのではないでしょうか。

Q3:キャラクターの動きを考える時に触発されるもの、心がけるものは?
A3:ミスマッチです。ミカンせいじんを例にとると、まるっこいものが細かく動く、などです。

Q4:アイディアがひらめく時は?
A4:お風呂とか、そば屋に入った瞬間とか(笑)。

Q5:キャラクターの権利の所在は?
A5:仕事によって異なります。使用範囲の擦り合わせを綿密にし、お互い気持ちよく仕事ができ、キャラクターが愛されることが大切だと思います。